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SEO 基礎

検索エンジンの本質

Googleの誕生と覇権

  • 1995年、スタンフォード大学の大学院生ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンが開発
  • 現在Googleの検索エンジンで月間1,000億以上が検索されている(1秒間に約3万8,000回の検索)
  • SEO = Search Engine Optimization = 「検索エンジンのためのデザイン」。ユーザーは視覚的にWebサイトを評価するが、Googlebotは目を持っていないため、人間相手のデザインとは違う視点での対策が必要

Google以前 vs Google

  • Google以前(AltaVistaなど): 「一致する単語の出現頻度、および一致する単語間の距離によって決定される」→ スパムが容易
  • Google: PageRankにより、被リンクを使ってページの重要性を順位付けするロジックを開発。競合と違ったのは、より重要なページを提供するための順位付けのロジック

PageRank

  • Googleの根幹技術。ハイパーリンク(サイト間のリンク)を論文の引用数にたとえ、Webページの重要性を推定する手法(論文はスタンフォード大学のページで公開)
  • 多くのサイトからリンクされているページ = 価値が高い。さらに支持されているページからリンクされているページも支持されているだろう…と再帰的に計算
  • 歴史的には、外部リンクを使った評価が検索品質の差別化要因になった。現在はリンクだけでなく、コンテンツの有用性・信頼性・ページ体験・技術的健全性など複数の観点で評価される

検索順位に関わる代表的な観点

Google のランキングシステムは多数のシグナルを組み合わせており、個別の要因や重みを外部から正確に把握することはできない。実務では、公開情報と観測可能な指標をもとに、次の観点で改善余地を見る。

観点 要素 説明
重要 コンテンツの関連性 検索意図に対して、ページが直接・具体的に答えているか
重要 コンテンツの品質と信頼性 独自性、経験、専門性、出典、運営者の透明性
重要 外部からの評価 自然な被リンク、ブランド言及、業界内での参照
補助 ページ体験 モバイル対応、Core Web Vitals、HTTPS、広告や UI の邪魔の少なさ
補助 技術的健全性 クロール可能性、インデックス可否、構造化データ、内部リンク

SEO必須用語

用語 説明
クローラー/クローリング 様々なWebサイトを巡回してWebページを認識するbot(ロボット)
インデックス/インデクシング 検索エンジンのクローラーが自分たちのデータベースにWebページを認識・登録すること
検索クエリ 実際に検索されたキーワード。狙っているキーワードと実際のクエリは異なる場合がある
オーガニック検索(自然検索) 有料検索(リスティング広告)との対義語。「無料検索」とは言わない
被リンク 自社Webサイトへの外部からのリンク。重要な評価シグナルの一つだが、リンクの量だけで順位が決まるわけではない

ブラックハットSEO(絶対に使用しないこと)

使用するとペナルティにより検索流入がなくなる可能性がある:

  • ワードサラダ: 無意味な単語を自動生成して関連する単語が大量に入っているように見せかける
  • リンク購入: かつては効果があったが現在はペナルティとして発見される。上場企業でも検索流入が激減したケースあり
  • 隠しリンク/隠しテキスト: 背景色と同色のフォント、極小フォントサイズで密かにリンクを仕込む
  • サテライトサイト: 無料ブログなどで意味のないWebサイトを作り被リンクを集める

検索エンジンとの付き合い方

基本原則

ユーザーにとって役に立つこと = 検索エンジンが評価すること
  • 過度にSEOを気にするより、ユーザビリティを上げていく
  • 「絶対に順位が上がる方法」はない
  • まずはGoogleの公式スターターガイドを読む
  • SEOが上手くいかないWebサイトのほとんどは、ユーザーにとってもあまり有益ではないWebサイト
  • 「SEO的にどうか?」という考え方は一旦捨て、ユーザーにとって使いやすく見やすいWebサイトを心がけることが一番の近道

人間と機械の両方に向けたコンテンツ

              人間が見る     人間が見ない
ロボットが見る  │ 新しいSEO   │ 古いSEO
ロボットが見ない│ デザイン・UI │ (無価値)

新しいSEO = 人間にもロボットにも見えるコンテンツを作ること。

良いコンテンツとは

  • ページを訪れる目的が大事。コンテンツが多いから良いわけではない
  • 覚えやすく、内容をはっきり表した名前(ブランディング)は検索にも有利
  • 文字数を稼ぐだけのSEOスパム(調べましたが分かりませんでした系)は評価されない

SEOの本当の効果

よくある誤解

SEO改善前: 100% → SEO改善後: 150%(コンテンツの価値が上がる)

現実

SEO改善前: 50%(本来の価値の半分しか伝わっていない)→ SEO改善後: 70%

SEOは「価値を増やす」のではなく、「伝わっていない価値を伝える」作業。

クエリの差別化

検索ボリュームが多いからといって、売上に繋がりやすいとは限らない。

「ジャイアンツ」           → ボリューム大・購入確度弱
「ジャイアンツ チケット」    → ボリューム中・購入確度中
「ジャイアンツ チケット 購入」→ ボリューム小・購入確度強

SEO最適化の判断基準

最適化が必要なケース

  • 明確な検索ニーズがある
  • リンクやブランドなどの既存資産がある
  • 勝ちたいキーワードが明確

最適化が不要なケース

  • 明確な検索ニーズがない
  • 新規立ち上げで資産がない
  • 狙っているキーワードがない

重要な認識

  • キーワード検索数を増やすことはできない
  • 地道に認知度を上げ「指名キーワード」を増やすことも大事
  • 検索をコントロールしすぎないことが重要

SEOが必要な企業の3パターン

  1. コンテンツがメインのサイト — メディア、ブログ、CGM、ポータルサイト。検索トラフィックが事業に不可欠
  2. すでに充分な資産があるサイト — 既存の検索流入がある場合、タイトルや説明文の変更だけで効果が出る。0→1より100→101のほうが遥かに簡単
  3. 明確な競合がいる/勝ちたいキーワードがある場合 — 特定キーワードで競合に勝つことで売上が大きく変わる

クエリの種類(Google Search Quality Evaluating Guidelines)

クエリの種類 説明
知識クエリ 質問や特定の知識に関するクエリ 「ナポレオン」「イチロー 年齢」
実行クエリ 特定の行動に関するクエリ 「パズドラ インストール」「BMI 測る」
サイトクエリ 特定のWebサイトに行くためのクエリ 「クックパッド」「Yahoo!」
訪問クエリ 主にモバイルで、実際の店舗や施設に行くためのクエリ 「コンビニ」「新宿駅 中華料理」

クエリの検索数が多いとしても、それがすぐに需要の高さやトラフィックの価値を示しているわけではない。

キーワードの規模分類

分類 月間検索数 特徴
ビッグキーワード 10万件以上 下位でもある程度獲得できる。検索数は多くても薄いキーワードも多い
ミドルキーワード 1万〜10万件 効果的なキーワードも多い。1つが上位に来るだけでも売上が立つ
スモールキーワード 1万件以下 1つや2つが上位に行くだけではほとんど効果がない。多数のキーワードを取る「ロングテール戦略」が必要

SEOの基本テクニック

手法1: 良いタイトルと説明文をつける

  • 狙っているキーワードで競合のタイトルを確認
  • 差別化しやすいタイトルをつける
  • クリックしたくなる説明文を書く
  • 関連度の高いタイトル/説明文をつける(キーワードを含める)
  • ページごとにタイトルや説明文を分ける(顧客はページ単位で検索する)
  • 順位が変わらなくても、クリック率が2倍3倍になればトラフィックもそれに応じて上昇する

Google検索ポジション別クリック率(平均)

順位 クリック率
1位 20.5%
2位 13.32%
3位 13.14%
4位 8.98%
5位 9.21%

手法2: Webサイト構造とPLP

  • Webサイト構成はカテゴリがまとまってページの種類を検索エンジンに伝えるべき
  • URLにキーワードが入っているかも重要な要素
  • PLP(Preferred Landing Page): キーワードに対して飛ばしたい、遷移させたいランディングページ。検索エンジンは自社では管理できないため、必ずしも狙ったキーワードに適切なLPが紐付くとは限らない

手法3: ページの速度を速くする

  • Page Speed Insights(Google提供)でチェック
  • とりわけモバイルではページ速度が遅いことによる離脱がよく起こる

手法4: 知名度を上げる

  • 知名度が上がれば検索数も上がる
  • 「検索したい人」を増やすことも本質的なSEO
  • 小手先のテクニックより、必要とされるサービスを作りユーザー体験を改善するほうが費用対効果が高い

品質の高いコンテンツ(Google Search Quality Evaluating Guidelines)

ページの3つの構成要素

  • MC(メインコンテンツ): ページの目的を達成するためのコンテンツ。MCがしっかりとユーザーにわかりやすく認識されていることが重要
  • SC(サポートコンテンツ): 補足的コンテンツ。ヘッダー、サイドバー、関連ページなど
  • 広告: 広告があることは必ずしもページ品質を下げるとは限らないが、過度に顧客体験を損なう広告は問題

E-E-A-T(ページ品質の評価基準)

2022年12月の検索品質評価ガイドライン改訂でE-A-Tに Experience(経験) が追加され E-E-A-T となった。生成AIコンテンツが氾濫する中で「実体験に基づく一次情報」の価値が相対的に上がっている。

  • Experience(経験): 書き手が対象について実際の経験を持っているか。商品レビューなら実際に使った経験、旅行記事なら実際に訪れた経験。AIや他記事の要約では代替できない一次情報が評価される
  • Expertise(専門性): ページのタイプによって定義が異なる。他のページにない独自の詳細な情報があるか。権威者ではない人が専門家であることもある(例: 病気の患者はその病気の専門家)
  • Authoritativeness(権威性): 「誰」が語っているのかが重要。医療情報なら医師、音楽情報ならプロのミュージシャン。専門性と重なる部分があるが、権威性は外部の評価や過去の蓄積によって評価される
  • Trustworthiness(信頼性): 充分なエビデンスや出典、根拠のある論文による引用を示すこと。「AよりBがおすすめ」より「○○の論文によると、AよりBのほうが20%ほどユーザーに好まれる」のほうが信頼できる。E-E-A-Tの中でTrustが中心に位置づけられ、他の3要素はTrustを支える要素とされる

YMYL(Your Money & Your Life)

「お金と生活に関するコンテンツ」。ユーザーにとって不正確な情報は有害であるため、Googleが厳しく監視。病気に関する情報やカードローンの情報などが含まれる。

高品質コンテンツのサマリー

  • 他のページにない独自のコンテンツを提供する
  • 自分が(自分たちが)何者であるかをしっかりと明記する
  • 根拠不明な情報ではなく、エビデンスや数値のある情報を提供する
  • 文字数は専門性の高さを示しうるが、文字数だけでコンテンツの評価が左右されることは(現在は)ない

プラットフォーム最適化の考え方

SEO、MEO、ASOなど、プラットフォーム最適化を考えるときは:

  • 「どれだけ最適化する余地があるか」
  • 「どれだけアップサイドがあるか」 を冷静に判断する。変えられないものを受け入れ、変えられるものに集中する。